毎回同じことで怒ってるのに言うことを聞かないし、今日は怒らずにと思っているのに出来なくて疲れる。どうしたらいいのか・・
大きな声で注意しても聞いてもらえない、毎日同じ繰り返しだとしんどくなってしまいますね。「怒る」や「叱る」行為がそもそも何なのか?から知ることから始めてみたいと思います。
2. なぜ怒ったりきつく叱ったりしてしまうのか?
3. 親自身の育ちの背景
4. 叱られ続けるとどうなるの?
5. 言うことを聞かない理由1
6. 言うことを聞かない理由2
1. 「怒る」と「叱る」は誰のため?
「怒る」も「叱る」も相手を正す、言い方を変えれば、こちらの意に沿うようにコントロールしてしまうという意味ではほとんど同じで、叱っている人のニーズを満たします。
ニーズとはストレスのかかった状態、例えば、子供が騒いでいる、宿題をやらない、兄弟喧嘩をしている、こんな時「静かにしなさい!」「早く宿題やりなさい!」「喧嘩するならご飯なしだよ!」と言って子供が静かになると、親側のニーズが満たされます。
子供のためと思って言っていることが、実は自分のために言っているのです。しかも、「怒る」や「叱る」という手段を使っていると、クセになります、それに依存してしまいます。
ストレス状態から一時解放されるので気持ちがいいのです。一時解放されるだけなので、その後はさらにきつく叱ったり、相手の人格否定をしたり、無視、疎外といった方向に進む危険があります。
2. なぜ怒ったりきつく叱ったりしてしまうのか?
相手に変わってほしい時、叱るという手段が使われます。何度言っても片付けない、勉強しない時、「片付けなさい!」「早く勉強しなさい!」「今頑張らないと将来困ることになるよ!」と言い、それでもやらないと、「何回言ったらわかるの?いい加減して!」と声を荒げてしまいます。
この間、子供が感じているのは苦痛や恐怖などネガティブな感情です。きつく叱ることでネガティブな感情を引き出し行動に繋げようとしているのです。
3. 親自身の育ちの背景
親自身が受けたしつけや教育には、怒鳴られたり、叩かれたりといった経験があるかもしれません。正しいことを教えるためにそれらが正当化されるのは、モラハラと同じ構造です。
正しさを盾に相手を従わせてしまうやり方は、無自覚に繰り返され、しっかりと体に刻み込まれてしまいます。
- 「片付けないと、連れて行かないよ」
- 「ちゃんと食べないと、おやつなしだよ」
- 「もう小学生なんだから、出来ないと恥ずかしいよ」
このような言葉は一見それほど厳しいものに見えないけれど、相手を脅して思い通りにしようとするものです。
子育て以前に自分自身の育ちがあります。そして家庭、学校、社会の経験において持たされた現在の心のあり様は、新しい知識と行動によって徐々に変えていくことができるものです。自分のことを責める必要はありません。
4. 叱られ続けるとどうなるの?
叱られ続けると、学ばなくなります。叱られたから止め、叱られたから勉強し、叱られたからやる、というように、自分の意思で決定できなくなります。
叱ると見た目には望ましい状態になるので、問題がないように見えますが、子供の主体性が奪われ、将来的には「何がしたいのかわからない」という状態を招く可能性があります。
5. 言うことを聞かない理由1
子供が学習していない。なぜ叱られるのか事前にわかっていない。病院で騒いではいけないと知らずに騒いでしまった、という場面では、いきなり叱られたと感じてしまいます。
知らなかったのにすごく叱られ、“叱られた”という事実だけが頭に残り、また同じ場面で繰り返してしまいます。
教えてもすぐに改善するとは限らないけれど、事前に繰り返し伝えることが大切です。
6. 言うことを聞かない理由2
叱られて注目されることが目的になってしまっている。人は誰でも関心をもってもらわなければ生きられません。子供は特に大人の庇護の元生活しているので、関心を持ってもらえないのは死活問題です。
叱られるようなことをわざとするならば、正しく注目される方法を教える必要があります。
幼い子供が甘えたさゆえゴネる時には「そうじゃなくて、抱っこしてって言ってね」など、親も気持ちよく受け取れるコミュニケーションを教えて、ネガティブな姿を出さなくて良い関係性を目指すと良いです。
おわりに
怒ることがそれほど相手のためにならないばかりか、副作用として主体性を奪ってしまう可能性があります。怒ること自体に疲れきって、何もかも投げ出したい気持ちになる前に、怒りのメカニズムや伝え方を学んで少しずつ手放していきましょう。
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