ふれあいの質が生き方に影響ってどういうこと?幼少期が大切とは良く聞くけど・・・。詳しく教えて!
子供は幼少期に自分や他人・社会について、こうであろうという構えを身につけていきます。どの構えを取るかによって、思考・感情・行動は異なります。
2. 子供が最初に持つ構えとは
3. 私がOKでない、という思い込みの作られ方
4. 理想以外の構えの時に起こること
5. 親自身の構え、現在地を知る
1. 4つの構え
人はそれぞれ人間関係において基本的な構えが存在します。これは固定されるものではなく、自分を訓練することにより理想的なものに近づけていけるもの。
4つの構え(幼少期に親とのふれ合いが主体になって培われる)
・私はOKである、他人もOKである(人間同士、共感に支えられた血の通った交流ができる)
・私はOKである、他人はOKでない(支配的で疑い深い人がとる構え、自分の肌に合わない者を排除しようとする)
・私はOKでない、他人はOKである(劣等感に悩んだり、憂鬱になりやすい。安心を求め、権威的な人に従順に尽くす)
・私はOKでない、他人もOKでない(人生は無価値で、良い事がないと感じていて、虚無的な構え)
一番最初にあげたのが理想的で、自他共に信頼できるという構えです。
OKである=愛されている、価値がある、楽しい、出来る
OKでない=愛されるに値しない、弱い、バカだ、できない
2. 子供が最初に持つ構えとは
赤ちゃんが生まれた時、誰もが、私はOKである、他人もOKである、の構えを持っています。自分と他人を信頼し、その命を委ねている状態です。
生まれて1年近く、自力で移動することもできないですが、「世話してもらって、すみません」などと思っているわけもなく、安心して自分の望みを要求し、親、主に母親はそれを受け入れるといった関わりにより、子供の自他共にOKの構えとなります。
3. 私がOKでない、という思い込みの作られ方
幼少期に作られた構えは、様々な経験を通して強化されるもの。例えば、親から長所を見ずに否定的な態度で育てられると、「私はOKでない」の構えを持ち、ここぞという時に力を発揮できず失敗し、その構えを証明してしまう。
子供、特に幼少期の子供にとって、親の言葉や態度は、たとえそれが忙しさや、大人同士の問題から出ているものあっても、善悪の判断なしに丸呑みし、自分と結びつけてしまいます。
- 「男の子だったら・・」(望まない性で生まれたと言われる)
- 「なんで、95点なの?」(なぜ100点取れないのか)
- 「忙しんだから、あっちいってなさい」
- 「お母さん/お父さんみたいにならないでね」
自分ではどうすることもできないことについて言われたり、常に認められない、関わってもらえない、などが続くと、私はOKでない、という思い込みに繋がります。
4. 理想以外の構えの時に起こること
理想以外の構えの時、非建設的なコミュニケーションで自分の立場を確認しようとします。何度も遅刻し相手を怒らせる事で自分がOKでない事を証明したり、相手の意見を絶対に受け入れず、無力感を味わせ、相手のOKでないを証明したり。
小さな子供であれば、構ってもらいために親を怒らせ、それが強化されると、大人になっても対人関係で拗らせたコミュニケーションを繰り返し、人間関係の悩みを持つようになります。
5. 親自身の構え、現在地を知る
子供に豊かな人間関係の土台を築いてあげたいと願うなら、出来ることは、自分がどんな構えなのか(ずっと同じところにいるのではなく、1日の多くをこの構えで過ごす、というものがそれぞれにある)を確認してみる。
支配的だったり、他人をバカにしているところがある、などと自覚すると傷ついてしまうかもしれないが、現在地を知らないと、具体的な問題発言や行動に気づくことができません。
親自身の人間関係の土台を、私はOKである、他人もOKである、に向かわせることが大切です。人間関係の悩み、子供との関係においても、この土台の歪みこそが根本の問題であることが多いのです。
おわりに
自分も他人もOKの構えを子供に持って欲しかったら、子供本位の時間を共有する。子供の存在や価値を認めるような様々なメッセージを送る。撫でる、励ます、頷く、話を聴くなど。
自分が理想の構えを持ちたい時には、人を褒める、褒めて欲しいことを相手に要求する、褒められたら謙遜せずに「ありがとう」と言って受け取る。けなされたら、「あなたはそう思うんだね」と受け取らない。自分自身を励ますなど。
相手に惜しみなく与え、自分も満たされると健全な人間関係が営めるようになります。自分がどの構え持っているのか知ることは、豊かな人生を送るための一つの手がかりとなります。
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